れびゅう

映画や本の感想を語ります。
普通にネタバレしてますゆえご注意くださいな。☆
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メッセージ・イン・ア・ボトル
メッセージインアボトル
1998/アメリカ
★★★★★
著者:ニコラス・スパークス
翻訳:大野晶子
【STORY】夫の不倫が原因で離婚したテレサ。幼い息子が夫の元を訪れている間、孤独な休暇を過ごしていた彼女は、海辺で手紙の入った瓶を見つけた。手紙に綴られていたのは、ギャレットという男性が今は亡き妻に捧げた一途な愛の言葉。胸を打たれたテレサはやがてギャレットを探し出す。そしてふたりは愛に傷ついた過去を忘れられぬまま、たがいに心惹かれていくが…。
【感想】皆さんは「運命」を信じますか?
この話を読んだ後には、誰もが信じると答えるでしょう。
テレサとギャレットを引き合わせた手紙の入った瓶。こんなこと、現実にありえるのかどうか…でも私はありえると信じたいと思いました。
テレサはギャレットのことを知るために彼を探しに来ました。ギャレットはテレサのこともテレサが自分が出した手紙を読んだこと・コラムに載せたことも知りませんでした。けれどギャレットは当たり前のように、それは既に決められていたことのようにテレサに惹かれて行きます。テレサの計画は、テレサ自身も予測不可能な展開へと進んでいきます。そして後から考えればキャサリンの計画だったのではないかと思います。
私は二人が上手く行けば行くほど、<テレサがギャレットの手紙をコラムに書いた>ということをギャレットが知った時、二人はどうなってしまうのか不安でたまりませんでした。でも読み進めて半分が過ぎてもそのような兆候は見られなかったのでその不安は自然に消えていきました。そして、それよりも二人が直面した問題について私も頭を悩ませるようになりました。二人は最後の最後までその大切で厄介な問題から目を背けていました。ギャレットの気持ちもテレサの気持ちも、二人の想いはどちらが間違っているというわけでもなく、仕方のないものでした。でも、二人でゆっくり冷静に考えていけば解決できると思いました。
そこに、あの問題が待ってましたとでも言う風に二人に降りかかりました。ギャレットが見つけてしまったのです。私は一気に血の気が引いてしまいました。やっぱり…。ギャレットの反応は予想していたよりもはるかに激しく悲しいものでした。私はわかってほしいと思いました。でも混乱している彼には難しいことなのでした。テレサももっとゆっくりと説明してあげるべきでした。というより、二人とも冷静になるべきでした。けれどそんなことは無理なのです。あの時の二人の状態を考えると…。もう何もかものタイミングが悪すぎでした。
テレサが彼の元へきたとき、私はテレサは別れを告げるつもりであると思いました。実際そうだったのですが、あの別れ際のシーン、路上に立ち尽くすギャレットの姿が目に浮かんで、それはとても悲しくて心が締め付けられるようで痛いです。また、テレサが離陸の際にギャレットと思われる人影を発見して静かに泣く姿も辛くてなりません。
でも私は希望を持ちました。きっとこのあとどんでん返しがあるはずと。きっとギャレットが追いかけてくる、もしくはテレサが何もかも捨てて彼の元へ行くと…。でも13章の冒頭を読み始め、ジェブからの電話のところまでいくとひとつの不安が生まれました。私はそれを認めたくありませんでした。そして無意識に先を急ぎたくなりました。それまでにないほどのスピードで私は読み進めました。絶対そんなことない思いながら、もうすでに目には涙がいっぱい溜まっていました。そしてついに見つけてしまいました。
私が望んでいたものとはまったく反対の意味でのどんでん返しでした。
最後浜辺でテレサがいるときギャレットがふと現れないだろうかと思っても、お葬式の場面までしっかりと書かれていたのでその思いは砕かれました。千マイルも離れていたせいで、ギャレットの決意の手紙も、それは遺言と化してしまいました。日本のように千マイルも離れていなければ、手紙は大体1〜2日で着くし、少なくともこんなことにはならなかっただろうにと思います。
後々考えるとこの最後の手紙は、テレサにとって最高のラブレターだったのではないかと思うのです。皮肉にもテレサは出会ったばかりの当時のギャレットと同じ境遇に立たされてしまいました。でも、彼女自身も言っている様に、テレサは未来を恐れずに前進できると思います。

日本だと、きっとギャレットを死なすことはなくハッピーエンドに持っていくだろうなと思いました。私も少しそれを望みました。テレサはようやく運命の人に出会えたのだから、ギャレットはようやく傷を癒せる相手に出会ったのだから、二人には幸せになってほしかった。でもこの話は、ギャレットの死をもって、「運命」を完成させていると思います。死んでしまったらなんにもならないといいますが、確かに二人の未来を築くことはできなくなってしまいましたが、テレサにはできるような気がします。彼女自身が、彼への手紙にそう書いていますしね。

恋をしている人、感動が欲しい人、おすすめの一作です。
book[著者:な-は行] | permalink | comments(0) | trackbacks(0)
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